ヒグチ ヨウコ
Yoko Higuchi
樋口 洋子 所属 千葉工業大学 情報変革科学部 認知情報科学科 職種 助教 |
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研究期間 | 2020/04/01~2024/03/01 |
研究課題 | 潜在的に獲得した学習内容の顕在的再活性に関する認知神経科学的研究 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 若手研究 |
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
科研費研究課題番号 | 20K14272 |
代表分担区分 | 研究代表者 |
研究者・共同研究者 | 樋口 洋子 |
概要 | われわれは、自分をとりまく世界の情報を知らず知らずのうちに学習している。この意識の伴わない学習を、意識的な学習(顕在学習)と対比して、潜在学習と呼ぶ。潜在的に獲得された学習内容は場面特異的に素早く発露し、多くの場面でわれわれの行動の効率化に役立つ。その反面、型にはまった発露であるがゆえに融通が効きにくい、という特徴もある。潜在的に獲得した学習内容を場面に応じて柔軟に利用可能な状態に変化させることはできるのだろうか。本研究では、学習内容を意識的に思い出させること、すなわち顕在的再活性がこの変化を引き起こすという仮説を、実験的に検証する。 令和3年度は、潜在的に獲得した学習内容の顕在的再活性による変化を検討するための心理物理的実験手法を構築した。具体的には、視覚的統計学習パラダイムを用いて系列パターンに繰り返し暴露し、いくつかの系列パターンを潜在的に学習させたのち、その系列を顕在的に思い出す課題を課すことで学習内容の再活性を誘導する方法を開発した。機能的磁気共鳴画像法を用いた脳活動測定の結果、学習内容の再活性には海馬の活動が関係していることが明らかになった。また、学習内容の再活性に関わる海馬の活動は、学習直後と比較して24時間後には減少していた。今後の研究では、潜在学習の顕在的再活性によって、潜在的に獲得した学習内容を場面に応じて柔軟に利用可能な状態に変化させることができるかを実験的に検証していく。 |